丘のうえこどもクリニック|旭川市緑が丘南1条の小児科

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子どもの病気

インフルエンザについて

インフルエンザの症状は

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる感染症です。インフルエンザウイルスには何種類かありますが、人に感染し、大きな流行をもたらすのはA型のうちのソ連型と香港型、B型の3種類です。最近いろいろと話題となっている鳥インフルエンザは、今のところ人から人に強く感染することはないと考えられています。新型インフルエンザは、鳥や動物の間で感染するインフルエンザウイルスが人から人に感染するようになったものです。インフルエンザウイルスに感染してから、1~3日間ほどたって、急に38℃以上の発熱が現れます。さらに、咽頭痛、鼻汁、咳、頭痛、関節痛、筋肉痛などのさまざまな症状も認めます。一般的に、発熱は3~5日間続きます。ほとんどの人は1週間以内に特別な治療をしなくても治りますが、乳幼児や高齢者、なんらかの持病がある人では、重症化したり、持病の悪化につながることもあります。インフルエンザになった時に、非常にまれなことではありますがインフルエンザ脳症になってしまうお子さんがいらっしゃいます。高熱が出ていて痙攣を起こす、呼びかけても反応が乏しい、わけがわからないことを叫ぶ、意味不明な動作を繰り返すといった時には、すぐに受診しましょう。

インフルエンザの診断

インフルエンザを診断する方法で、現在広く行われているのが、インフルエンザ迅速検査です。のどや鼻腔ぬぐい液を採取して、30分以内に結果を判定することが可能です。しかし、ウイルスの量が多くないとインフルエンザだったとしても陰性に判定されることがあります。したがって、発熱してから時間があまりたってない時、十分に鼻の奥からぬぐい液を取れていない時には正しい判定はできません。インフルエンザかどうかの迅速検査を受けようと思われる時には、発熱が出現して半日以上たってから受診いただくことが望ましいと思います。

インフルエンザの予防

インフルエンザは、インフルエンザにかかった人の咳やくしゃみなどの飛沫(口からとびだすしぶき)と共に放出されたウイルスを、健康な人が鼻やのどにすいこむことによって感染します。飛沫がとぶ範囲は1mくらいです。したがって、インフルエンザ患者の1m以内にいると感染する危険性は高くなります。ですから、インフルエンザが流行している時にはできるだけ人混みは避けましょう。空気が乾燥すると、のどの粘膜が本来もっている感染を防ぐ機能が低下しますので、インフルエンザにかかりやすくなります。室内の湿度(50~60%)にも注意しましょう。外出時にはマスクの利用や帰宅時のうがいや手洗いは、作用が限られてはいますが、インフルエンザ予防の基本です。インフルエンザが飛沫で感染することから、飛沫の量や広がる範囲をおさえるためにインフルエンザにかかっている方が咳、くしゃみをする時にはティッシュで鼻・口をおおってからしてください。そのティッシュは速やかにゴミ箱に処分し、汚れた手は洗いましょう。咳やくしゃみがある方が人前に出る時にはマスク着用をこころがけましょう。

マイコプラズマ肺炎

どんな病気ですか

マイコプラズマ・ニューモニエという病原体によって起こる肺炎です。普通の肺炎に比べて、少し年齢が高い4歳くらいから上のお子さんがかかりやすいのが特徴です。特に小・中学生の肺炎の多い原因といわれています。潜伏期間は2~3週間くらい。一度かかっても、もう一度かかってしまう人もそれほど珍しくはありません。流行する年としない年があります。

どんな症状ですか

症状は発熱と咳が一般的ですが、他の肺炎と比べ、コンコンという痰があまりからまない咳が非常に多くなるのが特徴的です。しかし、個人差があり、最初はのどの痛みだけという方もいます。下痢・嘔吐・頭痛・全身倦怠感などのほか、多形浸出性紅斑といった皮膚所見も伴うこともあります。

どんな検査が必要ですか

胸部のレントゲン写真で肺炎の病像を確認することです。肺に単一な淡い陰影が見られます。診断を確定するためには、血液検査でマイコプラズマ抗体を測定し、結果は翌日以降に判明します。この検査は、マイコプラズマ抗体価は病初期には低かったのが、次第に上昇することで判断しますので、症状が出てすぐに調べても意味がありません。症状が現れてから、4~5日以降に検査することが望ましいと思います。もし、その時に低い値でしたら1~2週間後に再検査することもあります。最近は、迅速検査といって採血して10分程度で判明する検査法もありますが、信頼性など多少の問題があり、実施している施設としていない施設があります。

どんな治療をするのですか

マイコプラズマによく効く抗生物質を内服します。よく効く抗生物質はマクロライド系といいます。薬の名前として例をあげると、クラリシッド・クラリス・エリスロマイシン・ミオカマイシン・ジスロマックという名前の薬です。一般に肺炎のお子さんに処方される抗生物質はペニシリン系やセファロスポリン系といわれるもので、これらはマイコプラズマには作用がありません。有効な抗生物質を使用すると、数日で解熱しますが、咳は1~2週間かかって少なくなります。しかし、最近、マクロライド系にも効かないマイコプラズマが増えてきており注意が必要です。

家庭でどんな注意をする必要がありますか

人から人へ感染しますので、患者さんの咳やくしゃみには気をつけましょう。タオルなどを共有するのは避けてください。安静とバランスのよい食事をこころがけましょう。登園・登校する時期は、感染力が低下してからです。熱が下がったからといって、すぐ登校するのは感心できません。かかりつけの先生とよく相談されてからにしましょう。

とびひ(伝染性膿痂疹)

とびひは、医学用語では伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)といいます。6歳以下の子どもに多い皮膚の感染症で、1年中存在するのですが、特に夏になると大変多く見られます。

どうして「とびひ」になるの?

アトピーや虫刺され、転んでできたすり傷、水ぼうそうの発疹をかき壊し、そこに黄色ブドウ球菌、A群溶連菌などの細菌が感染して発症します。これらの細菌は、健康な皮膚には感染しませんが、アトピーや傷などで抵抗力が弱くなっていると感染しやすくなってしまい、水ぶくれやかさぶたを形成します。患部をひっかいた時に、水ぶくれが破れ、指先や爪に細菌がつき、その手で別の場所をひっかいたり、他の人に触れたりして、どんどん広がっていきます。まるで、火事が「飛び火」していくように、最初の部位から離れたところに病変が広がったり、他のお子さんたちにも広がっていくことから、「とびひ」といわれるようになりました。

どうやって治療するの?

病気の原因となった細菌に対する治療が基本となります。抗生物質を内服したり、抗生物質の軟膏を病変部位に塗り、ガーゼで保護します。痒みがとても強い場合には、かくことによって他の部位に広がることを防ぐために、痒み止めを内服することもあります。数日後には、ジクジクとただれていたところが乾いてかさぶたとなり、改善していきます。広がってから治すには手間がかかりますし、他のお子さんたちにも広まってしまいますので、あやしいと思ったら、早めに小児科か皮膚科にかかりましょう。

生活で気をつけることは?

日常の生活はごく普通です。しかし、他のお子さんたちにうつさぬために、子ども同士は触れ合わないように気をつけなくてはなりません。患部が広範囲の場合には、保育園や幼稚園、学校はお休みしたほうがいいでしょう。プールは、改善するまで禁止です。お風呂は入ってもかまいませんが、患部が乾燥するまでは湯ぶねには浸からず、シャワーやかけ湯にとどめておいたほうがいいでしょう。

予防するためには?

普段から手洗いや入浴で皮膚の清潔をこころがけることです。そして、アトピー、湿疹、虫刺されは、しっかり治療しておくこと。爪を短くして、ひっかいて皮膚に傷をつけないようにしておきましょう。また、鼻の中には「とびひ」の原因になる黄色ブドウ球菌がたくさんいますので、鼻をいじることもやめましょう。

子どもの便秘

子どもの便秘はその年齢によって、その原因・対処法が異なります。病院をあわてて受診する前に、その原因をちょっと考えてみてくださいね。ただし、何回も嘔吐したり、痛みが強い時、おなかに腫瘤(塊のようなもの)を触れたり、便に血が混ざる時には早めに受診してください。腸重積、腸の狭窄および閉塞、腹部腫瘍などの重篤な病気が潜んでいることもありますから。以下、家庭で気をつける点をあげてみました。

1)新生児~乳児早期の赤ちゃん

赤ちゃんはみんな、毎日何回もウンチをするものと思っていませんか?生まれたばかりの頃は頻回でも、生後1カ月を過ぎた頃から、便の回数は減ってきます。おっぱいやミルクをよく飲み、吐くこともなく機嫌よくしているようでしたら、あまり心配は要りません。

  1. 赤ちゃんのおなかがパンパンに張ってはいませんか?授乳のあとに、きちっとゲップを出してあげないと、おなかの中に空気がたまり、その空気が邪魔をして便を出せないでいるのです。大人でも、おなかにガスがたまっていたら、苦しいですよね。こんな時には、綿棒で肛門を刺激してあげてください。ガスとともに、便が噴出してくるはずです。綿棒で刺激する時には、オイルをつけて肛門に綿の部分を挿入し、静かに下方に下げてやると、肛門が開き、ガスや便は出やすくなります。うまくいかない時には、病院へ。
  2. 母乳は十分に足りていますか?生後3カ月くらいになると、そろそろ母乳の出が悪くなってくる、出てはいるけれど、赤ちゃんの必要としている量には少し足りなくなってきているお母さんは、結構いらっしゃいます。体重の増えが悪いことに気付く前に、便が出なくなってきます。母乳の出方が心配でしたら、母乳を飲ませる前後で、赤ちゃんの体重を測って見てください。その差が、飲んだ母乳量です。

2)乳児後期の赤ちゃん~幼児早期

離乳食を始めたばかりの頃の赤ちゃんの便は、柔らかかったり、逆に便秘がちになったりとさまざまですが、離乳食が進んでくると、その子なりのおよそ決まったリズムで決まった性状の便をするようになってきます。毎日、便をするとは限りません。ただ、機嫌がよく、食事の量やミルクの飲みが普段どおりだからといって様子を見ていると、便自体が非常に固くなり、排便時に肛門が切れてしまうことがあります。子どもにも、切れ痔はあるのです。一度切れてしまうと、痛くてなかなか排便したがらなくなってしまい、さらに便が硬くなるという悪循環に陥ってしまうこともしばしば。便塊があまりに大きく、固くなり、腹部腫瘍を疑ったお子さんもいました。そんなふうにならぬように、便が固くなりがちのお子さんには、普段の食生活の工夫が必要です。小さなお子さんの場合、腹筋の力がまだ弱いので、しっかり形のある便よりは、少し柔らかめの便のほうが排便しやすいです。リンゴや薩摩芋といった繊維質の多い食物を取るより、水分を多めに取ったり、みかんやヨーグルト(ミルクアレルギーのないお子さん)を食べるほうが、便は柔らかくなります。プルーンもいいですよ。それでも固めの場合は、便を出しやすくするための坐剤による刺激が有効です。

3)幼児後期~学童期

この時期に訴える便秘は、習慣性のものや、心理的なものがほとんどです。大人も子どもも忙しい今の時代、朝は、幼稚園・保育園、学校へ行く準備に追われ、ゆっくりトイレに入る時間などないお子さんがほとんどでしょう。学校では、皆の目が気になるし、学校のトイレに入ること自体イヤというお子さんも多い。家ではあまり体を動かすことなく、ゲームやテレビに夢中。これでは、正常な排便習慣はつきません。まずは、朝でも夜でもかまいません。一日に一度、ゆっくりトイレに入る習慣をつけてください。そして、もし学校や外出先で便をしたくなったら、決して我慢しないこと。次第に、リズムができてくるはずです。また、冷たい水を多めに取り、繊維質の多いものを食べるようにしましょう。それでもなかなかうまくいかない時には、便を柔らかくする内服薬、便を出しやすくするための坐薬を使用します。

下痢

原因

大きく分けると感染性と非感染性があります。感染性は細菌やウイルスといった微生物、あるいは微生物が作り出した毒素が腸管内に入って下痢を示すものです。代表的な微生物をあげると、ウイルスではロタウイルスやノロウイルス、エンテロウイルス、アデノウイルスなどがあります。細菌では病原性大腸菌、サルモネラ菌、キャンピロバクターなどがあり、毒素を産生する菌には病原性大腸菌の一部(O157・O26など)や、黄色ブドウ球菌があります。これらの多くの微生物は食物や飲物と一緒に体内に侵入するほか、微生物で汚染されたもの(便・土・動物など)を手で触り、その手で食物を食べたり、さらにくしゃみや咳でとびちった、感染している人の唾液をすいこむことから感染します。非感染性では、食べ過ぎたりや冷たいもの食べて起こる食事性の問題、腸管の消化吸収機能の低下、食物アレルギー、代謝・内分泌疾患などさまざまなものがあります。また、抗生物質といった薬剤によって下痢になることもあります。

どんな症状?

便の性状は水分が含まれる程度によって、軟便、泥状便、水様便と段階がわかれます。1日の回数も数回程度から10回以上に及ぶこともあります。便の色も白色からうすい黄色になります。特に白色からクリーム色の時にはロタウイルスが疑われます。細菌が原因の時には血便を伴うことがあります。便に血液が点状あるいは筋状に付着する程度はさほど心配するものではありません。他の症状として発熱や嘔吐を伴うことも少なくありません。下痢で受診される時に、性状の特徴から原因が推測できたり、便検査もできることから、便をもってきていただくと、大変助かります。

治療は?

下痢になっても、十分な水分の補給ができて、多少の食事が取れていれば特別な治療を受けなくても自然に改善することは少なくありません。1~2回の嘔吐や下痢が見られたとしても、元気であれば病院を受診する必要はありません。しかし夜間でも、受診しなければいけない時があります。その第1は脱水です。体の水分が嘔吐や下痢となって排泄され、それに見合うだけの水分補給ができない時に起こります。重症の脱水は生命にも影響します。

  1. ぐったりして寝てばかりいる
  2. 皮膚の張りが失われ、しわしわの状態
  3. 唾液が糸をひくようになり唇が乾燥
  4. 目がおちくぼんで泣いても涙が出ない
  5. おしっこの間隔が普段の2倍以上などの状態が要注意です。

1.の状況であれば夜間でも受診すべきでしょう。
第2は血便です。血液と便が混じったイチゴジャム状態、黒っぽいのりのつくだに状態、真っ赤な血がほとんどを占める時は緊急事態です。夜間であっても受診が必要です。
第3は腹痛です。おなかが痛いといえるのは2歳以上ですが、エビのように体をおりまげて痛がる時と1歳くらいまでのお子さんが激しく泣いて、一休みしてまた激しく泣くといったことを繰り返す時は要注意です。胃腸炎というだけではなく、虫垂炎や腸重積のような外科の病気が考えられるからです。
下痢の時は食事療法が大切です。離乳食開始前の赤ちゃんで母乳が十分に出ている時には母乳はそのままでかまいません。ミルクでしたら、半分か3分の2程度にうすめにつくり、少量ずつを、回数を増やして与えるようにしましょう。良くなってきたらミルクはもとにもどしていきます。離乳食を食べていた赤ちゃんの場合は母乳、うすめたミルク、乳児用のイオン飲料をあげます。大人が飲むようなイオン飲料は赤ちゃんにしては糖分が多すぎますので適しません。食べたがるようならおもゆ、野菜スープ(特ににんじん)、すり下ろしたリンゴ程度が望ましいと思います。
幼児でも重症な時に食べていいものは赤ちゃんと同じものです。下痢の改善、または軟便程度でしたらおかゆ、よく煮たうどん、うすい味噌汁、軟らかい食パン、ウエハース、白身の魚、かたくり、寒天、とうふ、果実ということになります。反対に好ましくないものはアイスクリームなどの冷たいもの、牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、炭酸の入った飲物、脂肪の多いものです。下痢が治っても、1週間くらいは生もの・脂肪の多いもの・香辛料の強いものは控えましょう。蕁麻疹のもととなります。
脱水状態の時や、何も食べたり飲めない時には点滴はかかせない治療ですが、1日に必要な水分や栄養は外来の点滴だけでは不十分ですし、点滴に下痢を止める作用はありません。ある程度食べたり、飲めたりしている時には先にのべた食事療法と整腸剤・止痢剤の内服が基本です。最近は、経口輸液といって、経口ソリタ水などの乳児専用の経口電解質液を少量で何度も与えることが脱水の予防には作用があることがわかってきています。嘔吐がない時にはぜひ試されたらいいと思います。
赤ちゃんの肌は弱いので、下痢が続くとすぐかぶれて、真っ赤になってしまいます。オムツはまめに交換し、その都度柔らかいコットンをぬるま湯でしめらせ、やさしく拭いてあげましょう。そのあとよく乾かすことが大切です。かぶれたところにステロイド入りの軟膏を塗り続けると、カビがついてしまうことがありますので、気をつけましょう。

溶連菌感染症

どんな病気?

溶連菌とは、正式名「溶血性連鎖球菌」と呼ばれる細菌です。主に「のど」に感染して、咽頭炎・扁桃炎を起こします。体に細かいを伴うと「猩紅熱」と呼ばれることもあります。

どんな症状?

感染してから症状が出てくるまで(潜伏期)は2~4日。幼児・学童に多く、代表的な症状は「発熱」と「のどの痛み」です。その他、舌がイチゴのようにブツブツになったり(イチゴ舌)、体に細かい紅斑ができたり、嘔吐・下痢などの胃腸症状を伴うこともあります。また、2週間ほど経過した頃に、指先の皮が剥けてくることもあります。しかし、乳児の場合には、あまりはっきりとして症状は見られません。

どうやって診断する?

溶連菌感染症の場合、薬の内服期間が他の病気より長いため、疑われた時には、確認のため検査を行います。今は10分以内で判明する迅速検査キットが主流です。

治療は?

抗生剤を7~10日内服します。2~3日ですっかり元気になりますが、溶連菌を退治するために全部飲みきってください。しっかり治療しておかないと、急性糸球体腎炎という腎臓の病気や、リウマチ熱という心臓の病気が続発することもありますので。また、腎臓に異常がないかどうか、発症後3~4週間くらいで、尿検査を受けてください。

再発は?家族は?

溶連菌感染症は、何度も繰り返しかかることもあります。日ごろから、うがい・手洗いの習慣をしっかりつけておきましょう。習慣をつければ、家族にうつさないよう予防ができます。もし、症状が出たら、早めに受診しましょう。また、お子さんが感染を繰り返す時、親が保菌者ということもありますので、親も検査を受ける必要があります。

登園は?登校は?

お薬を飲んで、2~3日後にはお子さんは元気になり、溶連菌自体は人に移る威力がなくなっていますので、登園・登校は可能となります。幼稚園、保育園、学校に通いながら、お薬はしっかり飲んでください。

夏かぜについて

お子さんが、元気に遊んでいたと思ったら急に高熱を出す、高い熱が出ているにもかかわらず、食欲も変わらず、元気に走り回っている、そんな経験はありませんか?夏の風邪は、突然始まり、親をびっくりさせてくれます。それでは、主な夏かぜを紹介します。

1)ヘルパンギーナ

急激に38℃をこえる発熱が現れ、2~3日続きます。熱が40℃をこえることも珍しくありません。特徴的な症状は強いのどの痛みです。のどの奥に小さな水ぶくれができた後すぐに破れるため、のどの奥にアフタが散在します。痛みは2~3日で消失します。熱が下がって食事が取れるようになったら、保育園・幼稚園・学校は、登園登校可能です。原因はエンテロウイルスです。

2)プール熱(咽頭結膜熱)

プール熱も、急に高熱が出現します。のどがあかくなる、首のリンパ節がはれる、眼が充血するという3つの症状が特徴ですが、すべてがそろわないこともあります。発熱の期間はヘルパンギーナよりやや長く3~5日間くらいです。名前がプール熱なのでプールに入ってうつされると思っている方もいらっしゃいますが、プールに入る機会が多い夏に流行することから名付けられたものです。保育園・幼稚園・学校には、熱が下がっても、眼の症状がしっかり落ち着くまでは行けません。原因はアデノウイルスといいます。

3)手足口病

手足口病は、その名前の通り手のひら、足のうら、口の中に小さな水ぶくれができます。小さなお子さんの場合は、膝や肘、肛門の周りにできることもあります。熱は出ないことが多いのですが、時に38℃くらいの熱が数日続くことがあります。口の中はヘルパンキーナと違って、のどの奥ではなく舌先に多く見られます。保育園・幼稚園・学校は、お休みする必要はありません。原因はエンテロウイルスです。

これらの病気はいずれもウイルスによるものですので、抗生物質は効きませんし、特効薬はありません。熱が高くなるわりに元気がよく、食事もできるお子さんが多く、ある程度の食事や水分を取っていると数日間で治ることが多いです。しかし、のどが痛くて、飲んだり食べたりができないうえに高熱が続くと、小さなお子さんでは脱水を起こす場合もあります。おしっこの間隔が半日以上あく、唇が乾燥して、つばが糸をひく、泣いても涙が出ない、ぐったりして動けないという時には脱水を起こしている可能性がありますので、早めに医療機関を受診しましょう。

起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)

起立性調節障害とは、自律神経機能がアンバランスになることによって起こる病気です。思春期のお子さんに起こりやすく、症状の強さに差はあるも、中学生の約10%に見られます。症状は「夜更かししているわけではないけれど、朝起きられない」、「無理に起きても、めまい・頭痛・腹痛がつらく学校にいけない」など。朝に症状を強く感じる傾向があるため、朝はつらいけれど午後からは症状がよくなるため、仮病や不登校と間違われることもあります。そのつらさを周りに理解してもらえず、苦しんでいるお子さんは多いと思います。

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起立性調節障害(OD)11症状のうち3つ以上当てはまった時に疑い、新起立試験により診断できます。

  1. 立ちくらみやめまい
  2. 起立時の気分不良や失神
  3. 入浴時や嫌なことで気分不良
  4. 動悸や息切れ
  5. 朝なかなか起きられず午前中調子が悪い
  6. 顔色が青白い
  7. 食欲不振
  8. 腹痛
  9. 倦怠感
  10. 頭痛
  11. 乗り物酔い

治療について

  1. 普段の生活での注意点
    水分は多めに取りましょう
    起立時はゆっくり立ち上がること
    熱いお風呂は避けること
  2. 運動療法・加圧ストッキングの着用
    下肢を鍛える運動や加圧ストッキングで血流を下肢に鬱滞させない
  3. 薬物療法
    非薬物療法で改善しない場合、あるいは、起立保持が困難で日常生活に支障を来している重症例では、薬物療法も併用

夜尿症(おねしょ)

乳幼児期に寝ている間のおもらしをおねしょといいますが、5~6歳になっても月に数日おねしょが続いている場合は「夜尿症」と定義されます。
おねしょは放っておいたらそのうち治ると思われていますが、10歳のお子さんでも約5%が夜尿症であるといわれています。最近のお子さんたちは小学校低学年の頃から少年団で泊まりがけの合宿に出かける機会が多く、また高学年になると宿泊研修や修学旅行もあります。夜尿症が長引いているお子さんの中には行事自体が楽しめなかったり、参加を迷う方もしばしばいらっしゃいます。
自然に治るのを待つのでなく、治療を始めることを考えてみてはいかがですか。

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夜尿症の原因

  1. 夜中にたまるおしっこの量が多すぎて膀胱からあふれてしまう場合
  2. 眠っている間膀胱が膨らみにくく、少ない量でもあふれてしまう場合
  3. 1.+2.
    これらの要素に加え、おしっこがあふれそうなのに目が覚めない、
    「もれそうだから目を覚まして」という脳からの指令がうまく伝わらない場合に起こります。

治療

  1. 生活改善
    できるだけ規則正しい生活をおくる
    夕食後の水分摂取を控える、寝る前にはトイレに行く
    うんこをためない、夜間トイレに起こさない
  2. 薬物療法
    抗利尿ホルモン薬(尿を濃縮させ、量を減らす働き)頻度多
    抗コリン薬(膀胱の緊張を取り、尿をためやすくする働き)
    三環系抗うつ薬
  3. アラーム療法
    寝る前にパンツに小さなセンサーをつけることで、尿でパンツがぬれるとアラームが鳴る条件づけ訓練法
    ※機器を使用する場合、患者さんとメーカーさんとの間で契約いただく必要があります。

「怒らない」「起こさない」「焦らない」
治療には、時間がかかる場合もあります。本人の治そうという意欲と、家族の協力が何より大切です。